このページの要点
- ガイドラインは関係省庁が示した自主的な指針で、罰則や許可の仕組みはない。内容の多くは現行法の当てはめである。
- 主な対象は、身元保証等と死後事務の両方を、本人と契約して継続して提供する事業者。それ以外の関係者も参照が望ましい。
- チェックリストは30項目で、法令に根拠のある項目は6つ。書面で満たせる項目と、運用が要る項目を分けて確かめる。
- ホームページでは、費用を入会金・預託金などに区分し、解約と返金、預託金の管理、相談窓口まで公表する。
結論:ガイドラインは法律ではなく自主的な指針。ただし中身の多くは現行法の要求の当てはめ
「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」は、令和6年6月に、内閣官房、内閣府、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省が名を連ねて示した指針です。法律ではなく、守らなかったことだけで直ちに法律違反になる性質のものでもありません。ガイドライン自身が、事業者が自主的に適正な事業実施の観点から確認するためのものであり、あわせて、利用者が質の高い事業者を選ぶときの判断の目安として使われることを目指すと位置づけています。
けれども、これを「守らなくてもよい参考資料」と読むと見誤ります。内容の多くは、民法、消費者契約法、個人情報の保護に関する法律といった現行の法律が事業者に求めていることを、身元保証や死後事務という事業の特徴に当てはめて整理したものだからです。別紙のチェックリストには、法令に根拠があるものとして特に印の付いた項目が6つあり、残りの項目も、契約の効力や責任の問題として法律の場面で問われます。
- ガイドラインは、関係省庁が示した指針で、法律ではない。罰則や許可・登録の仕組みもなく、認定制度の創設は今後の検討課題とされている。
- 主な対象は、身元保証等サービスと死後事務サービスの両方を、本人と契約して、事業として継続的に提供する事業者。ただし、それ以外の関係者も参照することが望ましいとされている。
- 構成は、第1(全般)、第2(契約締結)、第3(履行)、第4(事業者の体制)、参考(政府の取組と今後の課題)、別紙(チェックリスト)。
- チェックリストは30項目で、契約の締結に18項目、履行に9項目、事業者の体制に3項目。法令に根拠のある項目が6つ。
- 事業者がホームページで公表することが考えられる事項は11項目。共通の約款や規程自体を公表しておくことも望ましいとされている。
このページは、ガイドライン全体の読み方を扱います。サービスの種類ごとの具体的な書き方は、契約の全体像から各ページへ進んでください。
策定の経緯と位置づけ
ガイドラインの前文にあたる部分は、策定の背景として、高齢者の単独世帯が増えていること、入退院や入退所といった重大な場面で身寄りがない、あるいは身近に頼れる人がいない方の意思決定を支える仕組みが求められていることを挙げています。そのうえで、身元保証や死後事務、日常生活支援のサービスを提供する事業が増えていること、この事業に関する課題がすでに指摘されていることを述べています。具体的には、平成29年1月の消費者委員会の建議と、令和5年8月の総務省行政評価局の調査結果報告書が、ガイドラインの脚注で挙げられています。
この事業が一般の契約より利用者保護の必要性が高いとされる理由として、ガイドラインは四つの特徴を挙げています。一つ目は、将来にわたる身元保証と死後の事務を含み、契約が長期に及ぶこと。二つ目は、サービスの提供に先立って費用の一部が前払いされるため、契約の内容が適正に履行されているかを確かめにくいこと。三つ目は、判断能力の低下が心配される高齢者が主な対象で、契約者の意思能力の有無をめぐって後から争いが生じうること。四つ目は、業務の内容が民事法や社会保障関係法に広くまたがることです。
呼称についても触れておきます。従来は「身元保証等高齢者サポート事業」と呼ばれていましたが、提供されるサービスの目的が、高齢者等の意思決定等を支援し、死後まで含めてサポートすることにあるとして、ガイドラインでは「高齢者等終身サポート事業」と呼ぶことにしています。
周知については、厚生労働省老健局が令和6年6月11日付の事務連絡(介護保険最新情報Vol.1273)で、都道府県・市町村の介護保険担当課と介護保険関係団体に宛てて、ガイドラインの策定を知らせました。管内の介護サービス事業者等への周知が依頼されています。ガイドラインの参考の部分には、ケアマネジャーや介護施設の職員が、死後事務等に対応せざるを得ない現状が課題として指摘されています。
位置づけに関わる記載(要約)
- ガイドライン 第1・1目的
事業者の適正な事業運営を確保し、事業の健全な発展を推進し、利用者が安心して利用できるようにする。事業者の参考であると同時に、利用者による事業者判断の目安にもなる。
- ガイドライン 第1・1現時点の取組
提供されるサービス内容は事業者と利用者の契約で決まる。ガイドラインは、現時点で事業者が取り組むことが重要と考えられる事項を取りまとめたもの。
- ガイドライン 第2(冒頭)民事のルール
事業者は、民法の契約の一般原則と、消費者契約法の民事のルールに従う必要がある。そのうえで、この事業の特徴に鑑み、特に留意する点を挙げる。
- ガイドライン 参考・2(5)認定制度等
事業者が自主的に確認するためのもの。確実な履行確保の観点から、優良な事業者を認定する仕組みの創設等を、今後検討するとされている。
長い文の転記は避け、要約で示しています。原文は、厚生労働省の掲載ページ(介護保険最新情報Vol.1273の別添)で確認できます。
対象:三つの要件と、参照が望ましい関係者
ガイドラインが主な対象とする事業者は、三つの要件をすべて満たす者です。一つ目は、「身元保証等サービス」と「死後事務サービス」を提供すること。二つ目は、本人(契約者)と締結した契約に基づいてサービスを提供すること。三つ目は、事業として継続的に提供することです。
ここで「日常生活支援サービス」は要件に入っていません。ガイドラインは、日常生活支援は家事代行のように、必ずしも高齢者を主な利用者としない事業もあり、このサービスだけを単独で提供する事業所も一定数あると考えられることを理由に挙げています。そのため、三つの要件には日常生活支援は含まれていません。
事業の型ごとの、ガイドラインの扱い
| 事業の型 | 主な対象か | ガイドラインの扱い |
|---|---|---|
| 身元保証等と死後事務の両方を、本人と契約して継続して提供 | 主な対象 | 全体を事業者の確認の指針として使う。チェックリストの30項目が当てはまる。 |
| 日常生活支援(見守り・買い物・付添い・財産管理など)だけを提供 | 主な対象ではない | 表1の支援に関わるその他の関係者として、参照することが望ましいとされる。説明、記録、金銭の預かりの考え方が参考になる。 |
| 死後事務だけを提供 | 主な対象ではない | 死後事務サービスのみを提供する事業者は、参照することが望ましいと明記されている。 |
| 身元保証等だけを提供 | 要件の文言上は主な対象に当たらない | 表1のような支援に関わるその他の関係者として参照できる。入退院時の対応や緊急連絡先の考え方が参考になる。 |
なお、ガイドラインには、各種の業法による規制がすでに存在する業種は対象としない旨の注記があります。ガイドラインは、各種の業法による規制が及ばない事業者について一定の指針を示すものである、という理由を挙げています。
使い方の面では、対象外の事業者にとっても、ガイドラインは役に立ちます。たとえば、見守りや買い物の付添いを提供する事業者が、利用者から現金を預かる場面があれば、ガイドラインの「金銭等を預かる際の対応」は、そのまま指針になります。逆に、身元保証や死後事務を新たに始めようとする事業者は、自分が主な対象に入ることを前提に、チェックリストの全項目に照らして書類を整えることになります。
ガイドライン全体の構成と、このサイトの対応
ガイドラインは、本文が第1から第4までと「参考」で構成され、別紙としてチェックリストが付いています。章の並びは、契約を結ぶ前、結んだ後、事業者そのものという時間の順序になっています。このサイトのページは、章の並びに沿って組み立てています。
ガイドラインの構成と、このサイトで読むページ
| 章 | 内容 | このサイトのページ |
|---|---|---|
| 第1 全般的な事項 | 目的、対象、サービス提供の基本的な考え方(利用者の尊厳と自己決定の尊重、定期的な面談、関連制度との連携、判断能力が低下したおそれがある場合の対応) | このページ、契約の全体像 |
| 第2 契約締結 | 契約内容の説明(重要事項説明書)、取り消される勧誘、身元保証等・死後事務・日常生活支援ごとの留意事項、死因贈与・寄附・遺贈 | 勧誘と説明、身元保証、死後事務の契約、贈与・遺贈 |
| 第3 契約の履行 | サービス提供の管理(記録、報告)、入院・入所・緊急連絡先、死後事務の履行、前払金や通帳の管理、変更・解約、判断能力が低下した場合 | 医療の同意・緊急連絡先、死後事務の履行、預託金の管理、解約・返金、判断能力の低下 |
| 第4 事業者の体制 | 情報開示、個人情報の適正な取扱い、事業継続のための対策、相談窓口の設置 | このページ |
| 参考 | 関係省庁が行う事項(金融機関での手続、携帯電話の解約、関連業界への周知)と今後の課題 | このページ |
| 別紙 | チェックリスト(30項目) | このページ |
別紙チェックリスト30項目の構成と読み方
チェックリストは、事業者が自分で確認し、利用者が事業者を比べるときにも使えるように作られています。30項目は、契約の締結に関する項目、履行(サービスの提供)に関する項目、事業者の体制に関する項目の三つに大別されます。
チェックリストの構成
| 区分 | 項目数 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 契約の締結 | 18項目 | 身元保証、入退院時の対応、緊急時の連絡、死後事務、日常生活支援の内容と費用の明確化。解約料の適正化。死因贈与や寄附を条件にしないこと。判断能力が低下したときの取扱い。預託金の額と根拠、管理方法。不当な勧誘をしないこと。利用者に応じた説明、重要事項説明書の交付、契約書の作成と交付。 |
| 履行(サービスの提供) | 9項目 | サービス提供の記録の作成と保存。定期的な面談。通帳や現金の管理と報告。預託金の区分管理。求めに応じた報告、契約終了後の報告。解約手順の情報提供、不当な説明をしないこと、解約料の算定根拠の説明。 |
| 事業者の体制 | 3項目 | ホームページ等での情報の公表。個人情報の取扱方針。相談窓口の設置と連絡先。 |
各項目には印が付いています。◎は法令に根拠があるもの、〇はそれ以外の取り組むことが重要とされるものです。法令に根拠がある◎の項目は、次の6つです。
◎が付く6項目(法令に根拠があるもの)
| 項番 | 内容(要約) | 根拠として示された条文 |
|---|---|---|
| 6 | 解約料について、適正な金額が設定されている | 消費者契約法9条1項1号 |
| 12 | 不当な方法による勧誘を行っていない | 消費者契約法4条 |
| 23 | 利用者が求めた際に、サービスの実施状況を報告している | 民法645条 |
| 24 | 委任契約の終了後、本人または相続人に、経過と結果を報告している | 民法645条 |
| 25 | 利用者が求めた際に、解約に必要な手順を伝えている | 消費者契約法3条1項4号 |
| 27 | 解約料の算定根拠の概要や、違約金等を設定した合理的な理由を説明できる | 消費者契約法9条2項 |
表を読むときの注意が二つあります。一つ目は、◎は「法令に根拠がある」という意味で、すべてが罰則付きの義務を意味するわけではないことです。たとえば、解約手順の情報提供(消費者契約法3条1項4号)は、事業者が「講ずるよう努めなければならない」と定められた努力義務で、解約料の算定根拠の説明(同法9条2項)も努力義務として定められています。努力義務であっても、契約の場面では、説明が足りなければ後から争いの材料になります。
二つ目は、◎のない項目にも、法律の裏付けが入り込んでいることです。たとえば、死因贈与や寄附を契約の条件にしないという項目7は、民法90条(公序良俗)が参照されています。判断能力が低下したときの取扱い(項目9)は、意思能力に関する民法3条の2や成年後見の規定、消費者契約法8条の3が関わります。〇は「やらなくてよい」という意味ではありません。
チェックリストを使う順序
- 書類を並べる重要事項説明書、契約書、規約、ホームページの記載、申込書を一か所に集める。
- 項目ごとに記載の場所を探す30項目のそれぞれについて、どの書類のどの条項に書いてあるかを書き込む。見つからなければ空欄にしておく。
- ◎の6項目から確かめる解約料、勧誘、報告、解約手順、算定根拠の説明は、条文との関係が最も直接的。
- 空欄を、書面の問題か運用の問題かに分ける契約書に書けば足りる項目と、記録の仕組みや面談の運用を作らなければ満たせない項目を分ける。
- 見直す時期を決めるサービスの内容を増やしたとき、法令や制度が変わったとき、約款を変更するときに、再度確かめる。
利用者や家族が使うときは、事業者の説明と書類を照らし合わせて、30項目のうち説明できない項目を尋ねる、という使い方ができます。
事業者の体制:情報開示・個人情報・事業継続・相談窓口
第4は、個々の契約ではなく、事業者そのものの備えを扱います。ガイドラインは、判断能力の低下が心配される高齢者が主な対象で、契約が長期にわたり、サービスの内容が多岐にわたるため、利用者が安心して利用できるよう、サービスの提供に先立って、事業者に関する情報とサービスの情報をホームページ等で公表しておくことが重要だとしています。
ホームページ等で公表することが考えられる事項(ガイドライン第4・1の11項目)
- 事業者の基本情報(組織、人員体制等)と財務諸表に関する情報
- 提供しているサービスの内容と費用(入会金や預託金などを区分して示す)
- 費用の支払方法
- サービスを利用できない者
- 提供しているサービスの履行状況を確認する方法
- 契約変更や解約の事由・手続等
- 契約変更や解約時の返金に関する取扱い(費用ごとに区分して記載)
- 預託金の管理方法等
- 寄附や遺贈に関する取扱方針
- 個人情報の取扱方針と管理体制
- 相談対応体制・連絡先
ガイドラインは、契約内容が複雑になりやすいことから、重要事項説明書に挙げる事項について、利用者一般に共通する規程や約款自体を作成し、あらかじめホームページ等で公表しておくことが望ましいとも述べています。約款を契約の内容にする場合、民法は、約款を準備した者に対し、定型取引の合意の前または後相当の期間内に相手方から請求があれば、遅滞なく相当な方法でその内容を示すことを求めています(民法548条の3第1項)。消費者契約法も、事業者が、消費者が約款の内容を容易に知り得る状態に置く措置を講じている場合を除き、この請求のために必要な情報を提供するよう努めるべきことを定めています(同法3条1項3号)。ホームページでの公表は、この要請にも応えます。
書き方の例(一般的な例) 公表の書き方の対比
費用
理由ガイドラインは、包括的に示すのではなく、区分して分かりやすく示すことを求めているため。
解約
理由解約方法が分からないという相談が寄せられているため、手順の情報提供が重要になる(消費者契約法3条1項4号)。
預託金
理由管理方法によって、事業者が破綻したときの利用者の保護の程度が異なるため(預託金の管理は預託金・前払金の管理で扱う)。
相談窓口
理由ガイドラインは、相談窓口の連絡先をホームページに掲載し、重要事項説明書にも記入することが望ましいとしているため。
個人情報については、ガイドラインは、個人情報の保護に関する法律に基づく対応が必要だと述べ、次のような規定を挙げています。利用目的をできる限り特定すること(同法17条1項)、取得したときに利用目的を通知または公表すること(同法21条1項)、個人データの安全管理措置を講じること(同法23条)、従業者の監督(同法24条)、委託先の監督(同法25条)、そして要配慮個人情報が含まれる個人データの漏えい等があったときの個人情報保護委員会への報告と本人への通知(同法26条)です。高齢者の病歴や服薬の情報は、要配慮個人情報(同法2条3項)にあたりうるため、取得にはあらかじめ本人の同意が要ります(同法20条2項)。
個人情報に関わる主な条文
- 個人情報保護法 17条利用目的の特定
利用目的をできる限り特定する。第三者に提供することが明らかなときは、その旨も分かるようにする。
- 個人情報保護法 20条2項・2条3項要配慮個人情報の取得
病歴などを含む要配慮個人情報は、原則としてあらかじめ本人の同意を得ずに取得してはならない。
- 個人情報保護法 21条取得時の通知・明示
契約書などに記載された本人の個人情報を取得する場合は、あらかじめ利用目的を明示する。
- 個人情報保護法 23条〜26条安全管理・監督・漏えい報告
安全管理措置、従業者と委託先の監督、権利利益を害するおそれが大きい漏えい等の報告と本人への通知。
事業継続については、契約期間が長く、不測の事態があっても継続的にサービスを提供できるようにしておくことが重要だとして、災害等が生じた場合の事業継続計画と、事業を清算することになった場合の対応方針を、あらかじめ定めておくことが望ましいとしています。書き方の例を示します。
書き方の例事業の継続と終了に備える定め
- 事業者は、災害その他の事由によりサービスの提供に支障が生じるおそれがあるときは、利用者に対し、速やかにその旨と代替の連絡方法を知らせる。
- 事業者は、事業を終了するときは、○か月前までに、利用者及びその推定相続人等として届出のあった者に書面で通知する。
- 事業者は、前項の場合において、預託金その他の預かり金について、利用者に返還する額と方法を示し、利用者の承諾を得て精算する。
- 利用者が希望するときは、事業者は、サービスを引き継ぐ他の事業者の紹介に努める。
期間は「○か月」のように、事業の実態に合わせて定める。清算の対応方針は、契約書とあわせてホームページにも書いておく。
最後の相談窓口について、ガイドラインは、契約が長期にわたり、利用者側の事情の変化もありうることから、契約内容をめぐるトラブルが起こりうるとして、利用者の相談を一元的に受ける窓口を設け、連絡先をホームページに載せ、重要事項説明書にも記入することが望ましいとしています。また、職員が関連する制度を理解できるように、研修の機会を設けることにも触れています。窓口は、置くだけでなく、受けた相談が記録され、契約の見直しに活かされる流れまで作ると、機能します。
参考・今後の課題と、利用者・家族のガイドラインの見方
ガイドラインの「参考」には、ガイドラインの策定と併せて関係省庁が行う事項と、今後の課題が書かれています。事業者が自分では解決できない障壁が、どこにあるのかを知るのに役立ちます。
参考として示された、政府の取組と今後の課題
| 項目 | ガイドラインの記載(要約) | 契約書を書く側の受け止め方 |
|---|---|---|
| 金融機関での手続 | 親族以外の代理人による手続に、金融機関が適切に対応するよう促す。亡くなった後の口座閉鎖の手続にも、丁寧な対応を促す。 | 金融機関の手続は金融機関ごとの取扱いに左右される。事前に確認し、書類を準備しておく。 |
| 携帯電話の解約 | 解約事務を適切に受任した終身サポート事業者からの解約申請も受け付けるよう、事業者団体と調整を進める。 | 受付の可否は事業者ごとに異なるため、契約の前に確認する(死後事務の履行は死後事務の履行で扱う)。 |
| 重要な治療方針への関わり方 | 本人の意思を代弁する関わり方の実態を把握し、事業者の役割と留意事項を示す。 | 現時点では、医療同意そのものは事業者の権限ではないという線引きを守る(医療の同意・緊急連絡先)。 |
| 介護保険外サービスの整理 | ケアマネジャーや介護職員が死後事務等に対応せざるを得ない現状を把握し、必要な対応を検討する。 | 保険外サービスの役割分担を、契約書とケアマネジャーとの連携で明らかにしておく。 |
| 死亡届の届出資格者 | 終身サポート事業者が、戸籍法87条1項3号の家屋管理人等として死亡届の届出資格者に含まれるかを検討する。 | 現行の戸籍法では、任意後見人や任意後見受任者などは届出ができる。ガイドラインは、そうでない事業者は自分で死亡届を提出できないと説明している。 |
| 成年後見制度の見直し | 令和6年2月に法制審議会への諮問がされ、見直しの調査審議が進められる。 | 制度の変更は、判断能力の低下時の条項に影響する。見直しは令和8年法律第45号(2026年6月24日公布)として成立し、施行予定日(2028年12月23日)以降は類型・条文番号が変わる。 |
| 事業者の認定制度等 | 優良な事業者を認定する仕組みの創設等を検討する。 | 認定の基準はこれから。現時点では、チェックリストに沿った対応が実質的な基準になる。 |
これらは、令和6年6月の時点での整理です。その後の進展、制度の改正、周知の更新は、所管官庁の資料で確認が必要です。
利用者や家族の立場でガイドラインを使うときは、事業者の書類を読む前に、手元の確認項目を決めておくと、説明を受けたときに聞き漏らしを防げます。契約書を渡された、あるいは重要事項説明書に署名を求められた時点で、次の問いを事業者に向けるとよいでしょう。
確認の問いと理由利用者・家族がチェックリストを使って確かめる問い
重要事項説明書と契約書は、契約の前に書面で渡されたか。
契約書が交付されていないという相談が寄せられていることを、ガイドラインも指摘している。
費用は、入会金、預託金、都度の費用に区分されているか。
区分されていないと、解約や返金の場面で、どの費用がどう扱われるのかが分からなくなる。
預託金は、事業者の運転資金と分けて管理されているか。報告はあるか。
事業者が破綻したときの保護の程度に影響する。報告があるかどうかも確認する。
解約の方法と、返金の範囲を、書面で説明されたか。
解約の手順は、尋ねれば事業者が情報を提供するよう努めることになっている。
死因贈与や寄附、遺贈を、契約の条件にされていないか。
契約とパッケージにすることは、利用者の真意かどうか疑義が残るため避けるべきとされている。
相談窓口の連絡先は、書面とホームページに載っているか。
窓口が示されていない事業者は、体制の面で不安が残る。
起きがちなこと:ガイドラインの読み方でつまずく場面
場面別・起きがちなこと
- 「ガイドラインは法律ではないから」と、チェックリストを見ないまま契約書を作る。実は項目の多くが、民法や消費者契約法で問われる内容である。
- チェックリストの項目に「はい」と答えるために、ホームページや契約書に、言葉だけを書き足す。運用が伴わず、記録も面談も実際には行われていない。
- 日常生活支援だけを提供しているから関係ないと考える。実際には、利用者から現金を預かる場面があり、金銭等の預かりの考え方がそのまま当てはまる。
- 費用を一式の金額でホームページに載せている。入会金と預託金の区別がなく、返金の範囲を説明できない。
- 事業継続計画や、事業を清算することになった場合の方針を作っていない。事業を畳むとき、預託金の扱いを利用者に説明できない。
- 相談窓口は設けているが、受けた相談の記録がない。同じ内容の苦情が繰り返されても、契約書が直らない。
- 令和6年6月の内容のまま、制度の変更を確認していない。参考に書かれた課題の進展に気づかない。
これらの場面は、書類の作り方と運用の両方に関わります。ガイドラインの考え方を、各サービスの契約書に落とし込む手順は、見守りサービスの契約書、日常生活支援と財産管理等委託契約、身元保証サービスの契約書のページで続けて扱います。
よくあるご質問
ガイドラインを守らないと、罰則はありますか。
ガイドライン自体には、罰則や許可・登録の仕組みはありません。認定制度の創設は今後の検討課題とされています。ただし、ガイドラインが挙げる内容の多くは、民法や消費者契約法、個人情報の保護に関する法律の規定に基づくものです。たとえば、消費者の利益を一方的に害する条項は無効とされ(消費者契約法10条)、不当な勧誘で結んだ契約は取り消されることがあります(同法4条)。ガイドラインに従っていないこと自体ではなく、これらの法律の場面で問題になります。
チェックリストの◎と〇の違いは何ですか。
◎は、法令に根拠があるものです。30項目のうち、解約料の適正化(消費者契約法9条1項1号)、不当な勧誘の禁止(同法4条)、サービスの実施状況の報告と終了後の報告(民法645条)、解約手順の情報提供(消費者契約法3条1項4号)、解約料の算定根拠の説明(同法9条2項)の6項目です。〇は、それ以外の、取り組むことが重要とされる項目です。〇だからといって、取り組まなくてよいという意味ではありません。
ホームページには、何を公表しておくべきですか。
ガイドラインは、事業者の基本情報と財務諸表に関する情報、サービスの内容と費用、費用の支払方法、サービスを利用できない者、履行状況の確認方法、契約変更や解約の事由と手続、返金の取扱い、預託金の管理方法等、寄附や遺贈の取扱方針、個人情報の取扱方針と管理体制、相談対応体制と連絡先の11項目を挙げています。費用は、入会金や預託金などを区分して示すことが望ましいとされています。
日常生活支援だけを提供する小規模な事業者も、チェックリストを使えますか。
使えます。日常生活支援のみの事業者はガイドラインが主な対象とする事業者の要件には入りませんが、表1のような支援に関わるその他の関係者として、参照することが望ましいとされています。30項目のうち、日常生活支援の内容と費用の明確化、サービス提供の記録、定期的な面談、通帳や現金の管理と報告、解約や相談窓口に関する項目などが、そのまま使えます。
ガイドラインの内容は、その後変わっていませんか。
このページは、令和6年6月に示されたガイドラインの内容に沿って書いています。その後の見直し、周知文書の更新、チェックリストの見直し、成年後見制度や社会福祉法などの改正は、所管官庁の資料で確認が必要です。制度が変わったときは、契約書とホームページの記載を点検し直します。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の契約への当てはめは、サービスの内容や契約の経緯によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、契約書作成の実務の経験をもとに、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」は法律ではなく、事業者が自主的に確かめるための指針として示されたものです。参考: e-Gov法令検索 / 厚生労働省 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会