このページの要点
- 委任は委任者の死亡で終了するのが原則(民法653条1号)。死亡後も終了せず、相続人が権利義務を承継する旨を明記する。
- 事務の範囲は、国の表の十項目から本人の希望で選び、含まない事務(医療行為、税務申告など)も書く。
- 費用の上限、対応期間の目安、見積りの件数を事前に決め、預託金は額の根拠・精算書・残金の返還先まで定める。
- 相続人が複数のときの報告先、相続人の反対で履行が難しくなったときの辞任、意向が食い違うときの対応を契約書に置く。
結論:「死亡後も終了しない」と明記し、事務の範囲・費用の上限・預託金の精算・報告先・辞任を、契約書と説明書の両方に書く
死後事務委任契約は、本人が亡くなった後に必要になる手続(葬儀、火葬、納骨、行政機関への届出、住まいの片づけなど)を、生前のうちに、信頼できる相手に委任しておく契約です。亡くなった本人は、手続が実際に行われたかどうかを自分で確かめることができません。国の「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」(令和6年6月。以下「国のガイドライン」)も、死後事務サービスについては、具体的な支援内容、費用の支払のための預託金の取扱い、残金の扱いを、契約書及び重要事項説明書に明記したうえで、死後事務委任契約を締結することが重要としています。
契約書に書くべきことを整理すると、次の六つです。
- 死亡後も契約が続くこと(委任は委任者の死亡で終了するのが原則のため、特約が要る)
- 事務の範囲(本人の希望を聞いて、できることとできないことを項目ごとに決める)
- 費用の上限・対応期間の目安・見積りの件数(受任者の負担や相続人への影響が過度にならないように)
- 預託金の額の根拠・精算・残金の返還
- 報告先(相続人が複数のときの窓口を含む)
- 相続人の反対などで履行が難しくなったときの辞任
このページは、契約書をつくる側の視点で、上の六つを順に説明します。亡くなった連絡を受けてから実際に行う手続(死亡届、火葬、賃貸借の解除、公共料金や携帯電話の解約など)は死後事務の履行の実務で扱います。預託金の保全の方法や報告の頻度は預託金・前払金の管理、財産を事業者に残すことと契約の関係は死因贈与・寄附・遺贈と契約に分けて書いています。条文は、民法を e-Gov 法令検索で確認した現行の規定に基づいています。
委任は死亡で終わるのが原則:存続条項と、相続人が引き継ぐという定め
民法653条1号は、委任は、委任者又は受任者の死亡によって終了すると定めています。死後事務委任契約は、委任者が亡くなった後に事務を行ってもらうための契約ですから、この原則のままでは、本人の死亡と同時に契約が終わってしまうのではないか、という疑問が生じます。そこで国のガイドラインは、死後事務委任契約では、委任者の死亡によっても契約が終了しないことを明確にする観点から、「委任者が死亡した場合においても契約は終了せず、相続人は委任者の契約上の権利義務を承継する」という趣旨を契約に明記することが望ましいとしています。
相続人の承継について、民法896条は、相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する、ただし被相続人の一身に専属したものは別、と定めています。死後事務委任契約では、この考え方のもとで、委任者の地位が相続人に移ることになります。それで、死後事務が終わった後に経過と結果を報告する相手(民法645条)は、そのときの委任者の地位にある相続人、ということになります。
ここで気をつけたいのが、一つの契約書の中に、本人の生前に終わる事務と、死亡後に始まる事務が混ざる場合です。見守りや日常生活の支援は、本人の死亡で終わる契約です。死後事務は、死亡で始まる契約です。契約書をひとまとめにするなら、どの条項が死亡で終了し、どの条項が存続するのかを、条文で区別しておきます。契約の終了の整理は契約の変更・解約・返金・終了でも扱います。
書き方の例存続と承継(書き方の例)
- 本契約は、委任者が死亡した場合においても終了せず、委任者の相続人は、本契約に基づく委任者の権利義務を承継するものとします。
- 前項にかかわらず、第○章(日常生活の支援)に基づく委任は、委任者の死亡により終了します。
- 受任者は、委任者の死亡後に、本契約に基づく事務を、委任者があらかじめ書面で示した意向に沿って行います。
生前の支援の契約と、死後事務の契約を一つの書面にするときは、どの章が存続し、どの章が終了するのかを明記します。
事務の範囲の決め方:国の表の十項目から、本人の希望で選ぶ
国のガイドラインの表1は、死後事務サービスの例として、次の十項目を挙げています。①死亡の確認、関係者への連絡 ②死亡診断書(死体検案書)の請求受領、火葬許可の申請、火葬許可証・埋葬許可証の受領、死亡届申請代行 ③葬儀に関する事務 ④火葬手続(火葬の申込み、火葬許可証の提示)の代行 ⑤収蔵(納骨堂)、埋蔵(墓処)、永代供養に関する手続の代行 ⑥費用精算、病室等の整理、家財道具や遺品等の整理 ⑦行政機関での手続関係(後期高齢者医療制度資格喪失届、国民健康保険資格喪失届等)の代行 ⑧ライフラインの停止(公共料金、インターネット、固定電話、携帯電話、NHK等の解約など)の代行 ⑨残置物等の処理に関する手続代行(遺品目録の作成、相続人等への遺品・遺産の引渡し) ⑩墓地の管理や墓地の撤去に関する手続代行。
この十項目を、ひな型どおりにすべて契約書に並べる必要はありません。委任事務の範囲を決めるに当たっては、利用者から丁寧に希望を聞き取ることが重要とされています。範囲が広すぎると、事業者は履行できない約束をしてしまい、狭すぎると、本人が望んだことが誰にも引き受けられません。範囲の決め方を、項目ごとに整理します。
死後事務の項目と、契約書で決めること
| 項目 | 契約書で決めること | 注意 |
|---|---|---|
| 死亡の確認・連絡 | 死亡の連絡を受ける体制、連絡する相手(家族、友人、関係機関)の一覧、連絡の順序 | 連絡が事業者に届きやすい仕組みは、履行の実務で扱う。連絡先の変更の確認方法も決める |
| 診断書・死亡届・火葬許可に関する手続 | 事業者ができる手続と、親族や届出人が行う手続の区別 | 死亡届は、届出ができる立場の人が行う。事業者の立場で届出が可能かを先に確認する |
| 葬儀・火葬 | 希望の形式(規模、宗教、場所)、見積りを取る件数、費用の上限 | 希望が曖昧だと、費用や形式をめぐって相続人と対立しやすい |
| 納骨・埋蔵・永代供養 | 納骨先の確保済みかどうか、事業者が行うのは手続のみか | 散骨や樹木葬は、場所や自治体の扱いを事前に確認する |
| 費用の精算・家財・遺品の整理 | 整理する範囲、処分しない物、形見分けの希望、貴重品の扱い | 処分しない物を特定し、貴重品が見つかったときの扱いを決めておく |
| 行政機関での手続 | 手続の一覧(医療保険、介護保険、年金など)と、事業者が行う手続の範囲 | 税務申告は、死後事務委任契約では対応できない手続とされる |
| ライフラインの停止 | 公共料金、通信、携帯電話の解約を対象にするか | 事業者による解約を受け付けない場合がある。事前に確認し、必要書類を用意する |
| 残置物の処理、墓地の管理・撤去 | 賃貸住宅の解除と残置物の処理を別の委任として結ぶか | 賃借人本人が事業者に委任する契約を別に結ぶ考え方がある(履行の実務で扱う) |
表の中でも、「事業者が自分で行えるのか」を確認しておく必要があるのが、死亡届や、携帯電話・公共料金の解約です。国のガイドラインは、事業者が任意後見人または任意後見受任者でないときは、自分で死亡届を提出できない場合があること、公共料金や携帯電話の解約は受任者である事業者が手続できない場合があることを指摘しています。契約書に「死亡届を提出する」「すべての契約を解約する」と書いても、実際には受け付けてもらえないことがあります。「事業者が行うこと」と「行える立場の人に連絡して引き継ぐこと」を、分けて書いておくのが安全です。
また、本人が遺言を作成している場合や、家族に葬儀の希望を伝えている場合は、内容に食い違いが生じないか、面談で確認します。死後事務委任契約と遺言のどちらを優先するのかは、契約書の定め方や内容によって変わり得ます。食い違いが見つかったときは、本人の意思を確かめたうえで、どちらかに合わせて直すのが無理のない整理です。
費用の上限・対応期間・見積り:過重な負担と相続人への過度な影響を避ける
国のガイドラインは、死後事務を履行するにあたり、受任者である事業者の事務負担が過重になったり、推定相続人の利益に過度の影響を及ぼしたりすることのないよう、費用の上限や対応期間の目安、葬儀等について見積りを取るべき件数などを、事前に設定しておくという工夫も考えられるとしています。亡くなった後は本人に確認できないので、決められることは生前に決めておく、という考え方です。
- 費用の上限:葬儀、火葬、納骨、遺品の整理などの費用を、項目ごとに、または全体の上限額で決める。上限を超えるおそれがあるときの手順(相続人に連絡する、本人の希望のうち優先するものを先に実施する)も決める。
- 対応期間の目安:連絡を受けてから葬儀までの目安、遺品や住まいの片づけの期限の目安。期間が長引く場合の報告の方法。
- 見積りの件数:葬儀や遺品整理を依頼するとき、何社から見積りを取るのか。見積りの内容を相続人に開示できる形で残す。
- 葬送の方法の事前確認:本人の希望(葬儀の形、納骨先)を聞き取り、散骨の場合は自治体への確認、樹木葬の場合は場所の確保ができているかなど、希望に対応できるかを事前に確かめる。
これらは、事業者を縛るためのものというより、後の争いを防ぐための取り決めです。たとえば、費用の上限がなければ、相続人から「高すぎる」と言われても、基準がないので反論できません。見積りの件数が決まっていなければ、特定の業者に頼んだ理由が説明できません。上限、期間、件数を決めておけば、「契約どおりに行った」という説明が成り立ちます。
書き方の例(一般的な例) 費用と範囲の書き方
事務の範囲
理由「一切の事務」は、範囲が読めず、できないことまで約束したように見える。含めない事務も書く。
費用
理由上限と、超えそうなときの手順を決めておく。見積りの件数も決める。
期間
理由「速やかに」は人によって幅がある。目安を数字で書き、遅れるときの報告を決める。
預託金の額の根拠・精算・残金の返還
死後事務には、葬儀や火葬、納骨、遺品の整理などの費用がかかります。国のガイドラインは、事業者は死後事務委任契約に基づいて預託金を受けることができ、死後事務に要した費用は預託金から精算できる、としています。同時に、預託金を受ける場合、利用者の死後、預託金の返還の要否やその額などをめぐって相続人との間でトラブルが生じるおそれがあるため、死後事務の内容等に照らして的確な預託金額を算定し、これを利用者や推定相続人に丁寧に説明しておくことが望ましいとしています。
民法の委任の規定からも、預託金の整理を支えられます。委任事務の処理に費用が必要なときは、委任者は受任者の請求により、その前払をしなければなりません(649条)。受任者は、委任事務の処理に必要と認められる費用を支出したときは、委任者に償還を請求できます(650条1項)。そして、受任者は、委任事務を処理するに当たって受け取った金銭その他の物を委任者に引き渡さなければなりません(646条1項)。預託金のうち使わなかった分は、委任者の相続人に引き渡す、という流れが、この規定から出てきます。
- 額の算定の根拠:葬儀、火葬、納骨、遺品の整理、行政手続の費用の内訳を示し、それぞれの見積りを根拠にする。利用者に金額を示すときは、消費税を含む総額を表示する(消費税法63条。免税事業者を除く)。
- 見直しの時期:費用が変わる可能性があるため、定期面談のときに金額の妥当性を見直す機会を設ける。
- 精算書:事務が終わったら、何にいくら使ったかを精算書にして、相続人に交付する。領収書や見積書を添える。
- 残金の返還:残金は相続人に返還する。相続人が複数のときは、受取りの窓口(特定の者、口座)をあらかじめ決める。
- 不足したとき:預託金で足りないときに、相続人に請求できるのか、事業者が負担するのか、委任の内容を縮小するのか。契約書に書いておく。
預託金は、事業者自身の運営資金と明確に区分して管理すること、利用者に定期的に管理状況を報告することが望ましいとされています。保全の方法の比較は預託金・前払金の管理に書いたので、ここでは、死後事務の費用に関する部分、つまり額の根拠と精算書、残金の返還の三つに絞りました。解約したときの返金の計算は契約の変更・解約・返金・終了で扱います。
相続人との関係:事前の説明、報告先、辞任
死後事務の相手方になるのは、亡くなった本人ではなく、その相続人です。本人の希望どおりに事務を行っても、相続人が内容を知らなければ、「勝手に」と受け取られかねません。国のガイドラインは、死後事務をめぐる親族等の相続人とのトラブルを回避する観点から、委任事務の範囲を決めるときに、利用者の意思に反しない場合には、できる限り推定相続人にも事前の説明を行い、契約内容について了解を得ておくことが望ましいとしています。利用者が事前に推定相続人に知らせないことを希望する場合には、死後事務の執行が難しくなる可能性があることを、説明しておくことが望ましい、とも書いています。
事務が終わった後は、受任者は、遅滞なくその経過及び結果を、委任者の地位にある相続人に報告しなければなりません(民法645条)。相続人が複数いると、報告の相手が全員になり、手間がかかるばかりか、全員の連絡先が分からないこともあります。国のガイドラインは、利用者と相談のうえ、事情によっては、推定相続人のうち特定の者に報告すれば足りる旨を死後事務委任契約の中で定めておくことも考えられる、としています。
もう一つの備えが、辞任の定めです。案件によっては、利用者と推定相続人との関係に大きな問題がある場合もあります。国のガイドラインは、そのような場合に備えて、委任者の相続人からの反対等により委任事務の履行が不可能または著しく困難となったときは、受任者は相続人への意思表示により受任者としての地位を辞任できる、という規定を入れておくことも考えられる、としています。辞任したあとも、急迫の事情があるときは、必要な処分をしなければならない場合があることが、民法654条に定められています。
書き方の例報告先・辞任・意向の相違(書き方の例)
- 受任者は、委任事務が終了したときは、遅滞なく、その経過及び結果を、委任者の相続人に報告します。相続人が複数いるときは、委任者があらかじめ指定した相続人(以下「指定相続人」といいます。)に報告すれば足りるものとします。
- 委任者の相続人からの反対その他の事情により、委任事務の履行が不可能または著しく困難となったときは、受任者は、委任者の相続人に対する意思表示により、受任者としての地位を辞任することができます。
- 委任者の死亡後に、委任事務について、委任者の生前の意思と相続人の希望が異なるときは、受任者は、まず、相続人に対し、委任者の生前の意向を丁寧に説明し、理解を得るよう努めます。
- 相続人が、なお委任者の生前の意思に反して契約の解除または内容の変更を求めるときは、受任者は、合意により解除または変更をすることができます。
国のガイドラインの考え方に沿って書いた例です。合意による変更を認めるか、どの範囲で認めるかは、利用者の意向を面談で確かめて決めます。
ここで、利用者の死後に、生前の意思と相続人の希望が食い違うことがあります。国のガイドラインは、まずは事業者が、相続人に対して生前の本人の意向を丁寧に説明し、理解を得られるよう努めることが望ましいとし、それでも相続人が本人の意思に反して契約の解除や内容の変更を求める場合には、法的な紛争を避けるという観点からは、相続人の申出に応じて合意により解除や変更をすることも考えられる、としています。履行の段階での対応は死後事務の履行の実務に続けて書いています。
契約書と重要事項説明書の書き分け
死後事務の内容は、契約書にも重要事項説明書にも書く、というのが国のガイドラインの考え方です。両方に書くと、重複して手間になるように見えますが、役割は違います。契約書は、後に争いになったときの拠り所となる文書で、条文の形で、権利義務を正確に書きます。重要事項説明書は、契約の前に本人が理解できるように、重要な点を平易に整理した文書です。
契約書と重要事項説明書の書き分け
| 項目 | 契約書に書くこと | 重要事項説明書に書くこと |
|---|---|---|
| 事務の範囲 | 委任する事務の一覧と、含まない事務 | 本人が希望した項目と、事業者が行えない項目を、表や一覧で見やすく示す |
| 費用 | 上限、見積りの件数、費用が上限を超えるときの手順 | 費用の内訳と、預託金で足りない場合の追加の時期と条件 |
| 預託金 | 預託金の額、区分管理、精算、残金の返還、報告 | 額の根拠、返ってくる場合の例、定期報告の頻度 |
| 相続人との関係 | 報告先、辞任、意向の相違、合意変更 | 推定相続人に事前に説明するか、本人が知らせない希望の場合の影響 |
| 終了 | 存続条項、相続人の承継、解除の方法 | 本人の死亡後も契約が続くこと、解約するときの手続 |
確認の問いと理由契約書を作る前の確認の問い
死亡によって契約が終了しない旨と、相続人の承継を書いたか。
委任は委任者の死亡で終了するのが原則(民法653条1号)。特約で明記する。
事務の範囲を、利用者の希望から項目ごとに選び、含まない事務も書いたか。
「一切の事務」は、範囲が読めない。
事業者が行える手続と、行える立場の人に連絡して引き継ぐ手続を分けたか。
死亡届や携帯電話・公共料金の解約は、事業者が自分で行えない場合がある。
費用の上限、対応期間の目安、見積りの件数を決めたか。
受任者の負担と相続人への影響が過度にならないようにするため(国のガイドライン)。
預託金の額の根拠と、精算書、残金の返還先を決めたか。
民法646条1項で、受け取った金銭は委任者に引き渡す。
報告先(複数の相続人のときの窓口)と、辞任の定めを置いたか。
相続人の反対で履行できなくなる場合に備える。
起きがちなこと
場面別・起きがちなこと
- 契約書に「死亡後も終了しない」旨がなく、相続人から、本人の死亡で契約は終了したはずだと主張される。
- 「死後に必要な一切の事務」と書いたため、相続人が、遺産の分配や相続人間の調整まで事業者が行うものと期待する。
- 推定相続人に事前の説明をしておらず、事務が終わった後に突然報告を受けた相続人が、費用の使い道を疑う。
- 費用の上限がなく、葬儀の費用が膨らんだため、相続人から高すぎると言われる。
- 預託金の残金の返還先が決まっておらず、相続人が複数で、誰に返すのかが決まらない。
- 死亡届や携帯電話の解約を「事業者が行う」と書いたが、実際には提出・解約できず、相続人に頼らざるを得ない。
- 相続人が本人の意思に反して契約の解除を求めたが、辞任や合意変更の定めがなく、どう対応するか決まらない。
よくあるご質問
死後事務委任契約は、本人が亡くなっても有効なのですか。
委任は、民法653条1号により、委任者の死亡で終了するのが原則です。そのため、国のガイドラインは、委任者が死亡しても契約は終了せず、相続人が委任者の契約上の権利義務を承継する旨を契約に明記することが望ましいとしています。契約書にこの旨を置いたうえで、死後事務を行います。
死後事務の範囲は、どう決めればよいですか。
国のガイドラインの表1に十項目の例があります。これらのうち、利用者の希望を丁寧に聞き取り、事業者が行える項目を選びます。含まない事務(医療行為、税務申告、相続財産の分配など)も書いておくと、範囲が読めない契約になりません。
費用が足りなくなったらどうなりますか。
契約書で、預託金の額の根拠、費用の上限、上限を超えるときの手順(相続人への連絡、優先順位)をあらかじめ決めておきます。預託金が足りない場合の請求先や負担も書いておかないと、相続人との争いになりやすくなります。
相続人が複数いるとき、報告は全員にするのですか。
原則として、事務が終わったときは、委任者の地位にある相続人に報告する義務があります(民法645条)。国のガイドラインは、利用者と相談のうえ、特定の相続人に報告すれば足りる旨を契約の中で定めておくことも考えられる、としています。
相続人が契約に反対したら、どうなるのですか。
まず、事業者が相続人に生前の本人の意向を丁寧に説明し、理解を得るよう努めます。それでも相続人が本人の意思に反して解除や変更を求めるときは、紛争を避ける観点から、合意による解除や変更も考えられます。履行が不可能または著しく困難になったときの辞任の定めも、契約書に置いておくことが考えられます。
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本ページは一般的な情報提供です。個別の契約への当てはめは、サービスの内容や契約の経緯によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、契約書作成の実務の経験をもとに、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索(法令API)で確認しています。「高齢者等終身サポート事業者ガイドライン」は法律ではなく、事業者が自主的に確かめるための指針として示されたものです。参考: e-Gov法令検索 / 厚生労働省 / 消費者庁 / 個人情報保護委員会